活用事例詳細
【丸紅ネットワークソリューションズ株式会社】
TRASCOPE-AI
商業施設に設置するカメラ(既存カメラ含む)の映像に対し、人行動分析アルゴリズムで解析した動線分析、属性分析をお客様にダッシュボードで提供
課題
現在、大型商業施設などの店頭マーケティングでは、消費者一人一人がどのような行動を取っているのかを分析し、店舗の配置や商品の陳列などに人の流れに合わせた戦略が導入されつつあります。しかし、離れた複数の場所における人の動きを分析することは容易ではありません。
具体的には、以下のような課題がありました。
課題1:顔認証
全てのカメラで顔を適切に捉えることができず、特定の人の動線を追うことができない。また、マスク装着による識別性能の低下やプライバシーに対する懸念がある。
課題2:歩容認証
個人の歩き方を特定できる角度でのカメラ設置が困難である。
課題3:人流推定
あらゆるセンサーから推定するも現実の人が本当にその経路を通っているか?などの精度の問題とコストがかかるなどの問題があり実現が難しい。
ソリューション概要
上記課題を解決するために、丸紅ネットワークソリューションズのAI映像監視サービス「TRASCOPE-AI(トラスコープ エーアイ)」に、服装や持ち物も含めた人物の全体像から同一人物であるかを判定するFORXAIのコア技術であるImaging AI*を利用して開発した「人流マーケティング」機能を搭載しました。これは、商業施設、小売り店舗などの来場者のマーケティングデータを自動取得し、より効率的な販売戦略の構築や売上向上に貢献するサービスです。
このサービスでは、マスクや帽子で顔が隠れていても同一人物の認識と追跡が可能であり、個人特定を行わないため来店者のプライバシーにかかわる懸念を軽減することができます。さらに、FORXAIの画像整合性調整技術により、これまで難しかった複数の離れた地点のカメラ間での整合性の問題を解決しました。これらのAI処理は店舗内のエッジデバイスで行われ、撮影映像がクラウドなどの外部に送出されることがないため、情報漏洩リスクの低減に寄与します。
これらのAI処理の結果は個人が特定されないデータとして「TRASCOPE-AI」に送信、データ分析され、お客様が取得したい主な以下の3つのデータをダッシュボードにて提供します。
(1)来場者の動線
(2)施設内店舗と利用者及び店舗間の相関(相乗効果はあるか?)
(3)来場者の時間帯別属性(人数、年齢層、服装など)
「人流マーケティング」は、今まで人物特定を行った後でしかできなかった個人別の動線分析が既存カメラでも行えることが強みであり、施設内店舗間の来場者のマーケティングデータを消費者のプライバシーに配慮しながら自動的に取得し、人の流れの見える化を実現します。
*FORXAI Imaging AI
FORXAIでは、Imaging AI技術の一つとして、人の性別、年齢層、上下服装、帽子の有無、持ち物など複数の項目を検出し照らし合わせ、同一人物と認識することが可能です。そのため顔の認識が不要なばかりでなく、色々な画角からでも判定が可能です。また、服装の色認識ができるため、ファッショントレンド分析への応用も期待されます。
※外観に基づく機械学習・統計情報から択一的に選択した結果です。これが属性情報を断定するものでは無いことをご理解ください。
FORXAIを採用したポイント
様々な属性情報により個人を特定し、動線を追うソリューションは世の中にありますが、課題であった属性判定に利用する服装の色彩推定を、照明の影響による変化も補正して同一の色として判定できることが採用のポイントです(高精度な色補正技術)。
ソリューションの将来への展望
弊社で展開している商業施設で展開している交通DX:車の渋滞予測との連携や他業種にも本ソリューションの展開を実施しようと考えています。
使用しているFORXAI技術
関連URL・お問い合わせ先
丸紅ネットワークソリューションズ株式会社
モバイルソリューション事業本部 ICT営業部
前田 悠太
〒108-0023 東京都港区芝浦2-11-5 五十嵐ビルディング
TEL:03-5439-6527
Mail:maeda021@marubeni-network.com