
FORXAI Experience Kit Compactの紹介
FORXAI Engineering Blogをご覧いただきありがとうございます。
さて、FORXAI Experience Kit(FEK)をご存知でしょうか?
FEKはFORXAI Imaging AI技術を気軽に体験いただくために開発し貸出しているkitになります。そのFEKですが、Basic(FEK-B)から始まり、最近では先日のBlogでも紹介させていただいたAdvanced(FEK-A)と種類を増やしてきましたが、この度新たなkitの貸出を開始しましたのでそのご紹介をさせていただきます。
免責事項、著作権・商標権について
当ブログは、掲載内容によって生じた損害に対する一切の責任を負いません。
画像は試作品となりますので、実際の提供物とは異なる場合があります。
各コンテンツでは、できる限り正確な情報提供を心がけておりますが、正確性や安全性を保証するものではありません。
また、リンク先の他サイトで提供される情報・サービスについても、責任を負いかねますのでご了承ください。
詳細につきましては、次のページをご確認ください。
目次[非表示]
- 1.はじめに
- 2.開発コンセプト
- 3.基板・筐体開発
- 4.アプリ実装
- 5.おわりに
- 6.関連リンク
- 6.1.FORXAI Experience Kit Compact
- 6.2.NNgen
- 6.3.お問い合わせ窓口
- 6.4.免責事項、著作権、商標権
はじめに
FEKの中でも最もお手軽なのがFEK-Bになるのですが、こちらはAvnet社のUltra96v2開発キットを利用しています。 ですがUltra96v2は下記の課題があります。
- あくまでも開発キットであり製品品質保証がないため製品出荷が難しい
- 現在(2023年9月時点)、入手性がよろしくない
それなりの数を用意しているのですが、利用者が重なると台数が足りなくなることがしばしば。数を増やしたいのですが上記の課題から増やせず運用でやりくりしておりました。 そんな状況を脱却したいという思いと製品へ繋げられるものを用意したいとの思いから、FEK-Bの代替となる新たなFEKを開発することにしました。
開発コンセプト
FEK-Bの後継機を開発するにあたり、重要視したポイントは以下になります。
- FEK-Bと同等以上の性能
- 手軽さ(小型化)
- 早期リリース
FEK-Bの特徴である小型・高性能を更に伸ばしたものにすることを最低条件としつつ、ニーズがあるうちに提供することを目指しました。
基板・筐体開発
まず、上記要件を満たせる構成として、SoMを活用することとしました。ただし、一般的に販売されているSoMでこちらの条件を満たせるものがなかなかありませんでした。そこで、37mm角のSoMをカスタマイズすることでSoMの課題を解決しました。
次にキャリアボードの開発についてです。SoMが37mm角なのでキャリアボードも37mm角を目標に掲げましたが。。。
必要最小限のインターフェースに絞りましたが、上記のようにコネクタだけでパツパツです。案の定、実際に開発を進めると部品が乗り切らず徐々に大きくなっていきました。 それでも、最終的には60mm×40mmと名刺よりも小さく、従来品(85mmx54mm)よりも大分小型になりました。
基板が出来上がれば、あとはカメラを選定して筐体を開発すれば出来上がりです。筐体の方も小型化するために開発者に厳しい要求(わがまま?!)を聞いていただき、各部品を無駄なく筐体内に収めることができ、50mm×50mm×90mm:160gの手のひらに収まるサイズを実現しました。
アプリ実装
ハードウェアが出来上がったので、ソフトウエアの実装です。 評価基板とFEK-Bを参考にするとともに、OSはFEK-B同様Linuxのdebian11を採用しました。AIアプリケーションもFEK-Bから移植しますが、AIアクセラレータだけは今回用に最適化を行います。 FEK-CもFPGAを採用しているので、実装には東京大学の高前田伸也先生と共同研究開発を行っている NNgenというAI用の高位合成コンパイラを使用し弊社のAIアルゴリズムをHWにマッピングします。FEK-Bに比べ少し大容量のFPGAを採用しているため速度方向にNNgenのパラメータを振り高速化を図ります。そのマッピング結果は以下になります。
FPGAを触ったことのある方しかわからないと思いますが、私の経験上も過去最大にFitしました。リソースを9割近く使用しつつ333MHzでタイミングもMETしています!(最近のFPGAはすごいですね!?) これにより、AIアクセラレータの性能もFEK-Bよりも向上し、小型化と共に高性能化も実現しました。 下記はアクセラレーションしているCNN部分の処理速度になります。かなり高速になっていることが見て取れると思います。
アルゴリズム |
FEK-C |
FEK-B |
---|---|---|
Skeleton Recognition |
32FPS |
20FPS |
Object Recognition |
25FPS |
16FPS |
Attribute Recognition |
35FPS |
20FPS |
最後にアプリケーションの実装です。 AI機能の部分はAIコンテナ化することで、アプリケーション部分はFEK-BのPythonコードを持ってくればすぐに動きます。共通のAIコンテナとすることによるメリットですね。 ちなみに、実装しているアプリケーションは以下になります。
おわりに
この度、ご紹介させていただいたFEK-Cですが、2022年度中に試作機の開発も終わっており、FEK-Aと同じタイミングでの提供開始予定でした。しかし、SoMの増産時にトラブルが起き提供開始が遅れてしまいましたが、ようやくリリースすることができました。 小型、軽量としたこと以外にも、Type-C給電を採用しモバイルバッテリー使用を意識したりとお手軽さを追求したFEK-Cになります。また、現行のFEK-Bよりも数量も多く用意してありますので、少しでも興味を持たれていただけましたら是非実機を触って体感していただければと思います。
この試作機はFORXAIの活用を検討いただける共創パートナー様だけでなく 共同研究開発を行っている大学・高専の皆様への貸出も進めておりますので、 ご興味がありましたらこちらの窓口まで、 ぜひお問い合わせいただければと思います。
関連リンク
FORXAI Experience Kit Compact
NNgen
お問い合わせ窓口
免責事項、著作権、商標権
コニカミノルタは画像IoTプラットフォームFORXAIを通じて、お客様やパートナー様との共創を加速させ、技術・ソリューションの提供により人間社会の進化に貢献してまいります。
新卒採用については以下の採用情報ページをご覧ください。
中途採用に関する情報については以下の採用情報ページをご覧ください。