
新人エンジニアの登竜門、"シススク"とは?
いつもFORXAI Engineering Blogをご覧頂きありがとうございます!
FORXAI技術広報兼マーケティング担当の西上です。
今回はコニカミノルタのソフトウェア系の新入社員の登竜門といえる研修、システムエンジニア基礎(略してシススク)についてご紹介します。
"シススク"とは?
コニカミノルタは新入社員向けにシステム開発全体をカバーする広範な技術(プログラミング・データ分析・IoT/AI活用・クラウド)の基礎を習得していただくために、シススクという研修を毎年6~7月あたりに約1か月の期間を設けて開講しています。コニカミノルタでは社会の変革を起こすDX技術人財の育成に力を入れており、この研修はその登竜門的な立ち位置として鎮座?している研修です。
コニカミノルタのDX技術人財についてはコチラの記事をご覧ください。
そして大学生活や就活のタイミングでコロナ化を迎え拠点も異なる新入社員にとって、オフライン主体のこの研修はネットワーキングの場にしてもらうことで、各部署に戻って業務にあたる際も「△△に詳しかったあの同期にちょっと聞いてみるか」と思ってもらうことも目的にしています。そのためソフト・ハード系の技術職だけでなく、光学設計や材料開発部門のエンジニアはもちろんITを扱う事務系社員など各部門に幅広く参加を推薦いただき、システム開発の技術を学ぶ研修にもかかわらず今年度は新入社員の約70%が受講しました。
この研修は前身を含めるともう30年以上続いている伝統あるもので、かなりのベテラン社員でも「あの研修受けたな~」と共通の話題になることもしばしば。ただここ数年のAI/IoT技術の進化に伴い、4年前からエレキ・ハード寄りだった研修をデータ分析・IoT/AI活用・クラウドとより広範で盛りだくさんな技術を習得する研修にレベルアップ?させたため、新入社員が部署に戻って研修の報告をしたときに「そんなことまでやってるの?じゃ□□のテーマできる?」と新入社員が早々テーマの主担当になるなど、手前味噌ながら身になる研修だと自負しています。
またもう1つこの研修の特徴として、昨年の新入社員だった2年目の社員も講師陣として次の年には講義をしていることが挙げられます。「シススクで基礎を身に着ける」⇒「業務の中で応用してスキルを磨く」⇒「シススクに講師として戻って後進に伝えつつ、教えることでスキルを棚卸・整理する」という好循環を生むことが数年の間にできることで若手の成長サイクルを早く回せる上、新入社員は数年先の社内のロールモデルとなる社員の話や開発のコツを教わることができることが この研修の魅力だと考えています。(ということで私は講師陣の中では相当な古株ポジションになっています…笑)
また講師は様々な部門の若手・中堅社員が集まるため、講師間のコミュニケーションも活発になり、これをキッカケに事業部連携のテーマが加速する、といった効果もあり講師側にもメリットが多いイベントでもあります。
1か月の過ごし方
…さて、前置きが長くなりましたがここからはシススクでの1か月の過ごし方をご紹介します。
- 1週目:デジタル基礎コース(データ分析、クラウド概論、Webサイト製作)
- 2週目:クラウド実践コース(Webアプリ・AWSを用いたSaaS開発)
- 3・4週目:IoT実践コース(マイコン+クラウドでIoTシステム開発)
1か月を通してデータ・クラウド・Web・エッジ(現場で動くデバイス)の技術を学んでいただき、「デジタル技術とは何か?」「どのような価値(活用方法)があるのか?」を知ってもらうことを狙いにしています。そのうえで我々運営メンバーとしては『シススク人財育成宣言』なるものを受講生の皆さんに宣言して講師・受講生で一緒のゴールに迎えるように一丸となって進めています。(そんな堅苦しい研修ではないことがこの宣言からわかると思います)
デジタル基礎コース
1週目のデジタル基礎コースでは、データ分析・クラウド・フロントエンドの基礎的な知識の習得をしていただくようにしています。1週目はこれまでデジタル技術について学んだことがない新入社員も多く参加しているので、これから始まる熱の入った?オフライン研修への準備体操的な内容としてオンラインで気軽に受けてもらっていました。
クラウド実践コース
2週目からはいよいよ皆さん八王子の研修ルームに会し、コーディングや環境設定を行う内容に移っていきます。1週間の中でWebアプリ開発やAWSのサーバレスアーキテクチャについて実践を交えながら体験するという初心者泣かせの濃~い研修になります。(過去のシススクのアンケートでもこのタイミングから挫折しかける、という方もチラホラ見かけます…)
また講師陣もサポートはしますが、あえて手を貸しすぎないようにすることでそれぞれの得意分野を持つ新入社員同士でコミュニケーションを取りながら演習を進めてもらうという狙いもあったりします。そこで受講者自身の技術的な得意・不得意な分野を棚卸するとともに、同期の得意・不得意も知ることでお互いにカバーし合う良い関係性を毎年築いてもらう機会になっています。
FORXAI技術が入っているLOVOTに触れて休憩している受講生
IoT実践コース
2週目まででWeb・クラウドに関する知識を身に着けた上で、3週目からはエッジの世界へ、ということでマイコンやセンサーを使ったIoTの実践研修となります。ほぼ皆さんが未経験という中で試行錯誤しながら協力して課題に取り組んでいる姿が印象的でした。
そしてラスト1週間で応用課題実習という形で4~5人1チームで1つのIoTシステムを完成・プレゼンテーションを行うという最終課題を取り組んでもらいました。これまでのコースで学んだ知識やスキルを活かしてIoTシステムを開発してもらいつつ、社会人として必須なプレゼン能力を高めるために自分たちが開発したシステムをPRする最終発表会で披露をしてもらいました。
ここまでくるとチームメンバーの技術の得意・不得意ももちろんですが、役割の特性も分かってくるのでまとめるのがうまいリード役・説明/PRするのがうまいプレゼン役・もくもくと開発するエンジニア役など作業分担ができてきて、実際の開発業務さながらの動きを各チームで回していくことになります。(たった5日間で披露まで漕ぎつけるので自然とそういう立ち回りも実につく、というのが運営の狙いでもあったり…笑)
最終発表会
応用課題実習の成果報告となる最終報告会では今回参加した9チームがそれぞれのシステムをデモも交えながら発表しつつスライドにもこだわりを見せ、例年に増してレベルアップした発表になりました。また受講生のメンターおよび上長も各拠点からオンラインから参加し、伝統ある研修の進化を目の当たりにしつつ、新入社員の1か月の頑張りの成果を見届けていました。
そして何より数週間にあたり研修・開発を通じて苦楽を共にしたチーム・同期との仲が深まったことは、業務に戻ったあとでも困ったことがあればすぐ聞ける仲間ができたという何よりの財産になったと運営メンバー一同自負しております。
おわりに
今回はコニカミノルタのソフトウェア系の新入社員の登竜門、シススク研修についてご紹介しました。 研修内容の詳細や最終成果のシステムについてはご紹介するのが難しいのですが、この研修について少しでも知っていただけたなら幸いです。
技術的な知見・経験の習得はもちろん、チーム開発・プロジェクト遂行の苦労や楽しさを早い段階から身に着けられるということで新入社員を送り出す各職場からも高評価(もちろん受講した新入社員の満足度も高い…はず)を受けて、長きにわたり続けながらも進化を止めないシススク。
もしご覧になった学生さんがこの研修を受けるためだけ(言い過ぎ)にコニカミノルタの面接に応募するきっかけになったら嬉しいですし、社外の方がこの研修について興味を持ってお声がけしてもらえたらそれもまたありがたいと思っておりますので、ぜひご一報ください!
最後までご覧いただきありがとうございました!!
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