
データサイエンス領域での産官学連携の取り組み ~学術の知見をビジネスに社会実装する!~
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はじめに
こんにちは!
マーケティングサービス事業部(BEJ出向中)の清水と申します。
今日はデータサイエンスに関する電気通信大学との産学連携の取り組みについて、インターンシップ、大学での講義、書籍の執筆、という観点でご紹介します。
コニカミノルタでは2017年3月1日に国立大学法人電気通信大学と産学連携協定を締結しました。
それ以来様々な取り組みをしており、その中のひとつがインターンシップです。
インターンシップ
インターンシップは、半年~1年以上の長期インターンシップと、数日程度の短期インターンシップがあります。
私が所属しているマーケティングサービス事業部(コニカミノルタマーケティングサービス株式会社、以降「KMMS」)では、電気通信大学や関連する大学からインターンシップの受け入れをしています。
週2~3日程度、長期インターンシップとしてマーケティングデータサイエンスの分析に関わる業務に就いて頂いています。これまでのべ20人程度受け入れており、最大同時に7人程度が業務に携わっている時期もありました。東京・日本橋のオフィスに来ていただいたり、リモートワークで業務にあたって頂いています。
また、半期に1回成果報告会という形で取り組んだプロジェクトの内容やそこから得た学びなどを発表してもらっています。
私たち社員にとって、学生のフレッシュな視点はとても貴重で、なによりも職場が若々しくなり活気づいて明るくなりました笑。もちろんそれだけでなく学術的にも優れた研究活動をしていただき、KMMSが展開しているサービスの価値向上に大きく貢献して頂きました。
学生にとっては自身が学業として学んできたデータサイエンスの知見を実践的に生かせるので、社会を知る場として活用頂いています。
インターン生の仲間たちと
データアントレプレナーフェロープログラム(DEFP)での講義
インターンシップの受け入れから縁があり、私(清水)は電気通信大学での講義を賜ることになりました。
講義は文部科学省のデータ関連人材育成プログラムであるデータアントレプレナーフェロープログラム(DEFP)の一環で、私が担当したのは分類モデルの機械学習構築の講義でした。
こちらの講義では、ショッパー行動解析サービス「Go Insight」のデータをダミー化して使用しました。
スーパーマーケットでの購買行動データを使って消費財メーカーの課題解決に活かすというテーマにしており、親しみやすくビジネス活用にも繋がる講義が出来たと自負しています。
2021年・2022年合わせてのべ90人程度に受講して頂きました。
とても良かったのが、DEFPでの受講生だった方がそのままマーケティングサービス事業部のインターン生としてjoinして頂き、次の年に講義において講師側(のお手伝い)にjoinしてくださったことです!
こうやって、学生が社会人として社会で活躍し、後進の手本となる仕組みが作れたというのは、私にとっても大学にとってもとても嬉しいことでした。
こちらの取り組みについては、事例としても以下のページで紹介されています。
書籍の執筆・発行
2021年のDEFP講義が終わった後(9月頃)に、担当教授から「この講義を基にして本を書かないか?」と誘われました。
私としても経験が無かったことですし、本業もありましたので、本当に出来るのか不安ではありましたが、せっかくの機会ですし日本のデータサイエンス教育に少しでも関われるなら、と思い、チャレンジしてみることにしました。
それからの執筆作業は思ったよりも大変で、休日返上で校正作業を行ったりしましたが(笑)、なんとか無事に形にすることが出来ました。
2023年4月に発売になったばかりですので、もしよろしければ是非お手に取ってみてください。
実践 マーケティングデータサイエンス: ショッパ―行動の探索的データ解析と機械学習モデル構築
こんな表紙の本です
Win-Win-Win-Win!
さて、この活動は、4つの視点でWinを獲得できていると考えています。
Win-Win-Win-Win!
まずは学生(学)。
大学での講義を通して、ビジネスに通じるデータ分析の手法、機械学習モデル構築の考え方、スライド作成や発表の仕方に至るまで、社会に通じるデータサイエンス力を伝えることが出来ました。
学生からの評価も高く、アンケートでは「神授業」「もっといろんな人に受けてもらいたい」など嬉しいコメントもいただけました。
次に大学(学)。
いま、全国の大学でデータサイエンス関連の学部が新しく立ち上がり、関連人材の育成が急務となっています。
深刻なのが「教えられる人がいない」という実態です。
そのような中で、実務においてデータサイエンスを進めるとはどういうことかを身をもって学生に伝えることが出来る「社会人講師」は貴重な存在だといえるでしょう。
さらに国(官)。
政府は2019年6月にまとめた「AI戦略」で、2025年までに全ての大学生・高専生が初級レベルの知識を身につけ、その半数の25万人を応用レベルに習熟させるとの目標を示しています。
一方で、先述の通りその育成者や育成の仕組みがあまりにも足りていません。
このような産学連携の取り組みは、官(国)としても大変ありがたいものなのです。
そして最後にコニカミノルタ(産)。
企業としても優秀なAI/ICT人材の確保は急務である中で、大学や学生とこのように結びつきが出来、コニカミノルタという会社におけるデータサイエンスの取り組みを少しでも知ってもらえたことは、企業にとっても高い価値だと考えます。
おまけにKMMSでは事業・サービス運営の最前線に入って日々活躍して頂き、売上にも貢献してくれています。
4者がそれぞれWin(メリット)を感じて、良い取り組みが出来ていると感じています。
今後にむけて
DEFPの講義は2023年度も依頼されており(しかも、今年は講義の数もだいぶ増えました!)、引き続き実施していきます。
また、書籍も刊行されましたので、この書籍をベースとして様々な大学でデータサイエンス教育をしていけたら嬉しいです。
産学官の連携をこれからも深めていきながら、データサイエンスのビジネス実装をこれからも進めていきたいと思います。
コニカミノルタは画像IoTプラットフォームFORXAIを通じて、お客様やパートナー様との共創を加速させ、技術・ソリューションの提供により人間社会の進化に貢献してまいります。
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