
コニカミノルタの人財育成「システムアーキテクト」編 その②
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はじめに
はじめまして。技術開発本部先進コア技術センターの小野です。前回矢口さんより投稿があった「システムアーキテクト育成選抜研修」の運営委員を務めております。
私自身も第1期の卒業生であり、第3期から運営委員として本研修に参画させていただいています。
システムアーキテクト育成選抜研修(SAS)につきましては矢口さん投稿のブログをご確認ください。
コニカミノルタ全社のシステム開発系部門から受講生が集まる本研修、運営委員も様々な部門から参画しております。 私自身は現在、画像IoTソリューション事業部と共に3Dレーザーレーダーの開発に携わっております。弊社の光学技術によって開発したユニークなセンシングデバイスとなっておりますので、ご興味のある方は是非見てみて下さい。
第6期システムアーキテクト育成選抜研修 Phase1
Phase1:ハードウェアからクラウドまでのシステムにおける技術要素の深堀
近年では専門性の高度化、業務の細分化に伴ない、自身の専門領域以外に触れる機会が減ってきています。専門性を高めることは技術者として当然必要なことですが、システム全体を俯瞰して、より価値ある製品を開発することが今は求められているのではないかと思っています。
システム全体を俯瞰する上で、私自身もよく感じることは、「知識として知っている」と「自分で手を動かして開発したことがある」ではその知識・スキルレベルに大きな差があるということです。
そこで、Phase1は1つのCPU基板をベースにシステムをビルドアップしていく中で演習を通して各要素技術を学び、最後に学んだ要素技術を活用して1つのシステムを構築するというカリキュラムになっております。
ベースとなるCPU基板にはXilinx社のZynq®が搭載された市販品を使用して、そこにUSBカメラや加速度センサ、ステッピングモータ等の入出力デバイスを追加しました。
Phase1は5カ月間、計7回の研修でハードウェアからクラウドまでの広い範囲を学ぶため、かなり詰め込んだカリキュラムとなっています。 SAS研修では世の中の技術動向を踏まえてカリキュラムを毎期ブラッシュアップしているため、短い準備期間の中でカリキュラムを考え、部品選定、環境構築して演習課題を作り上げることは運営委員側も苦労しました。
第1回~第3回:Linux基礎、ファミコン演習
第1期から研修にご協力いただいている東海大学の清水先生をお招きして、Linux基礎の座学・演習やファミコンで利用されているアーキテクチャの理解、実際にゲームを作ってみるというカリキュラムになっています。 『コニカミノルタがファミコンで技術者教育をする理由』(出典:日経ビジネス)
第4回:ハードウェア、FPGA
第4回以降はCPU基板をベースにデバイスの追加などでビルドアップしていき、最終的に下図のようなシステムを作り上げていきました。
まず第4回ではCPU/FPGA、インターフェイスといったハードウェアの座学と回路図・データシート読解やFPGA演習を行ないました。 回路図を見ながら各種デバイスを自分で半田付けして配線するのもSAS研修の恒例となっています。
第5回:AI(FORXAI)
SAS第6期から初めてAIのカリキュラムを組み込んでいます。 USBカメラで撮影した画像に対してFORXAI Imaging AI(FORXAI Skeleton Recognition)で抽出した関節点データで判定処理を行ないランプやブザーで結果を出力する演習を行ないました。
FORXAI Imaging AIの他、NNgenやコンテナといったFORXAI実装技術を演習形式で学んでもらいました。
第6回:クラウド、WebApp
システムアーキテクトはエッジ側システムがメインでありますが、昨今ではネットワークに接続すること、クラウドに接続することが当たり前になっています。 最終的なシステム(製品)ではエッジ/クラウドのどちらで個々の処理を担うべきかを考える必要がありますので、SAS研修ではクラウドの基礎部分を学ぶカリキュラムにしています。 またSAS研修の特徴の一つである実機デモにおいてはUIも重要となるため、WebAppの講義も実施しています。
KYOSO様ハンズオンセミナーの様子(前回第5期に開催した内容です)
第7回:システム開発
第7回ではPhase1の総まとめとして、これまで学んだ要素技術を組み合わせて一つのサービスを開発してもらいました。テーマは骨格検知を使ったヨガサービスです。 運営から提示した要件を満たしながら各チームでユニークなサービスを考え、システムを構築しました。
中間報告会①
受講生の上長をお招きして、これまでのSAS研修の概要とPhase1システムのプレゼンテーション・デモンストレーションを各チームで行ないました。 残念ながら上長以外の方はリモート視聴とさせていただいたため、SAS研修の特徴である実機デモはカメラ越しという難しい発表となってしまいましたが、100名近い方にご参加いただき貴重なコメント・アドバイスもいただきました。
おわりに
Phase1では「ハードウェアからクラウドまでのシステムにおける技術要素の深堀」ということで演習をメインにしたカリキュラムを実施して参りました。
次のPhase2では「システム設計に必要な知識を体系的に学ぶ」カリキュラムをなっています。
そちらはまたSAS運営委員より投稿予定ですのでお楽しみに!
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