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技術広報の仕事ってなに?

いつもFORXAI Engineering Blogをご覧頂きありがとうございます!

FORXAI技術広報担当の西上です。本サイト・ブログを運営しており、早くも3度目(開設のお知らせを含めると4度目!)の登場です。

今回は皆さんにもご覧いただいているEngineering Blogの運営をはじめ、FORXAIの技術を広める仕事である『技術広報』というあまり知られていない仕事についてご紹介します。

目次[非表示]

  1. 1.技術広報とは?
  2. 2.技術広報の仕事とは?
    1. 2.1.技術広報戦略の策定
    2. 2.2.技術広報施策の遂行
  3. 3.技術広報っておいしい仕事なの?

技術広報とは?

皆さんは『技術広報』という言葉を聞いてどんなイメージを思い浮かべるでしょうか?

文字通り、自社が持っている『技術』(私の場合はFORXAIの技術なのでコミュニティに加盟しているパートナーの技術も含みます)を『広報』(広める)する、という役割になるのですが、会社のブランドをCM等でPRする一般的な広報や製品をPRして売り上げに繋げていく営業とは何が違うと思いますか?

これはあくまで個人的な感覚ですが、技術広報は「自社の組織の技術を発展させる」ことを目的に置いていることが他の役割と異なることだと思っています。

一般的な広報は企業ブランドイメージの向上を狙いとして社長や有名人を使ってビジョンや爽やかなイメージを謳いますし、営業は製品の性能の良さや安さを謳うと思います。一方、技術広報は技術やその技術を用いたソリューションの良さはもちろんですが、その技術を育てていく環境や人材・イベントなどについても語っていきます。それによって「この技術を使ってみたい」「自分たちの技術を提供したい」と思う企業の方がパートナーになってもらうことはもちろん、「こんなエンジニアがいるなら自分も一緒に仕事がしたい」という仲間を増やしていくことも技術広報の仕事の1つに入るのです。(ひいてはそれが技術の発展につながるのですから)

また私個人の感覚ですが、社内へのPRも技術広報の大事な仕事だと思っております。それは技術広報の担当者数名がいくら頑張っても広がる速度には限度があり、せっかく同じ会社の従業員の皆さんがその技術に興味を持ち、いいなと思ってもらえれば、その人がそれを使い始め他の企業の方に紹介することで、技術が広まるチャネルが多くなるのです。それが社内で数百人・数千人と輪が広まれば技術広報がいなくても自然にその技術の広まる速度が圧倒的に速くなるのです。(だからといって私がお役御免になるのは困りますが、笑)


Webinarの様子

技術を広めるために登壇する機会も度々あります


技術広報の仕事とは?

技術広報は主に「技術広報戦略の策定」と「技術広報施策の遂行」の作業をすることになります。

技術広報戦略の策定

技術広報戦略は文字通り「何のために」「何を」「どうやって」広報していくのか?を計画していくことです。

「何のために」は先ほどの章でも挙げている通り、この技術をどれだけの人に使ってほしいのか(どれだけ利益を上げたいのか、から逆算する場合もあり)や、どれだけの仲間が集まってほしいのか、を目標に見据えたうえで広報という「広める」手段において、どれだけの人に情報を見てもらうのか・知ってもらうのかを定めていきます。

そして、「何を」では使ってもらう・仲間を集める・そもそも知ってもらう目的を叶えるためにどういう情報を見せると効果的なのか、今FORXAIとして何を推していきたいのか、今の技術の流行とマッチするために何を見せていくべきか、といったことを考えていきます。

最後に「どうやって」については今皆さんが見ていただいているようなサイトであったり、展示会、自社イベント、SNSや広告など効果的な手段や時期を決めていきます。そしてある期間の技術広報施策の遂行計画を決めていくのです。

ここで大事なのは「広める」にもお金や人数が必要なことです。これは一般的な広報にもいえるのですが、「使ってもらう」「仲間を作る」だけだと売り上げや利益に直接的に貢献するわけではないので、他の職種以上に費用対効果を示すのが難しいのが技術広報の難しさです。その点、技術広報という仕事は広める技術の知識や広める手段としてのサイト運営やコンテンツ制作・プレゼン能力はもちろんですが、必要人員や費用について納得感ある提案ができる一種のマーケティング能力が必要だと私は思っており、常日頃意識をして取り組んでいます。(まだまだ勉強中です…)


オンラインイベントの様子

オンラインイベントの企画なども目的意識を持って取り組んでいます


技術広報施策の遂行

ようやく具体的な仕事の内容に移ります。

こちらは企業によって施策はそれぞれだと思いますが、FORXAIの技術広報としては「社外向け」「社内向け」「グローバル向け」「採用向け」など様々な方面に向けて広報施策を進めています。
例えば社外向けにはWEBサイトの運営・更新から展示会・学会の出展・協賛、自社主催のイベントに対して企画から機材準備・人員配置、事前/事後の広報活動や、当日のアテンドなど多岐にわたる活動を行います。

これまで私もかかわった施策の一部についてブログを転載します。

  LOVOT MUSEUMで撮影を行いました!! | FORXAI | LOVOT GROOVE XさんのLOVOT MUSEUMに訪問させていただきましたので、その模様をご紹介します! FORXAI | コニカミノルタ
  画像センシングシンポジウム(SSII2022)において発表を行いました! コニカミノルタは、2022年6月8日~6月10日に開催されたSSII2022に参加いたしました。 FORXAI | コニカミノルタ
  ASPIC IoT・AI・クラウドアワード2022受賞まで 先日表彰式があったASPIC IoT・AI・クラウドアワード2022の応募から受賞までの道のりを簡単にご紹介します。 FORXAI | コニカミノルタ


↑このような転載も事前/事後の広報活動の一環となるので、常日頃から少しでも「前にやったこと・これからやることを広められないか?」という意識を持つのが大事だったりします。

また自分たちで考えた施策だけでなく、コニカミノルタ全体の広報を取りまとめている部門と連携してニュースリリースを検討したりSNSを発信する、あるいは共創しているパートナー発の施策に支援・協力するなどの対応も行います。(なので自分たちの業務だけで100%の工数を使う計画を立てると突発的な連携・協力依頼を受けると破綻するのが技術広報業務のミソです。笑)

これまで発信に関わったニュースリリースについてもぜひご覧ください!

  トンネル内でローカル5Gを利用した低遅延カメラの実証実験を実施 建設機械の遠隔・無人操作技術の確立と生産性向上を目指して | コニカミノルタ コニカミノルタ株式会社は、株式会社ミライト・ワン、株式会社安藤・間と協力し、建設中のトンネル内でローカル5G*1を利用した低遅延カメラによる実証実験を行いました。 KONICA MINOLTA - 日本 | コニカミノルタ
  世界最大のAIコンペ「Kaggle」で金メダルを受賞 データサイエンティスト・AIエンジニア3名が10位入賞 | コニカミノルタ コニカミノルタ株式会社(本社:東京都千代田区、社長:大幸 利充、以下 コニカミノルタ)のデータサイエンティスト・AIエンジニア3名が、世界最大のAIコンペプラットフォーム「Kaggle(カグル)」主催の「Image Matching Challenge 2022」で10位に入賞し、上位入賞者に授与される金メダルを受賞しました。 KONICA MINOLTA - 日本 | コニカミノルタ
  NVIDIAの「Jetson AGX Orin」によりヒトの姿勢をAIで認識する独自の骨格検出技術が20倍の速度に 「NVIDIA AI DAYS 2022」にて高速動作デモを公開 | コニカミノルタ コニカミノルタ株式会社(本社:東京都千代田区、社長:大幸 利充、以下 コニカミノルタ)は、NVIDIAのエッジコンピューティングプラットフォーム「NVIDIA Jetson AGX Orin (エヌビディア ジェットソン エージーエックス オーリン)」を利用することで、ヒトの姿勢をAIで認識する独自の「FORXAI(フォーサイ) Imaging AI」骨格検出技術(以下 骨格検出技術)を従来*の約20倍の速度で動作させることに成功しました。 KONICA MINOLTA - 日本 | コニカミノルタ



社内向けやグローバル向けは前述の通り、技術の輪を広めるためにハッカソンなどの開発イベントで実践的に使ってもらったり率直なフィードバックを得たりする場なども設けて技術の発展に貢献する活動もしています。グローバルについてはコニカミノルタの場合ですが、基本的には各地域の販売会社が責任を持って製品や技術を広めていくことになるので、まずは販売会社の方の理解を深めて「仲間になってもらう」ところから始めています。

社内の活動についてはこちらのブログもご覧ください。

  FEK社内ハッカソン実施報告 社内の事業部向けに実施したハッカソンの流れと運営側の苦労話をかいつまんでご紹介したいと思います。 FORXAI | コニカミノルタ


最後に採用向けとしては、技術広報の役割の「仲間作り」として個人的には他の広報・営業の方よりも結構力を入れて取り組んでいます。先進的な技術は社内でもまだ知見が多くなかったり、それを今いるメンバーが業務転換して進めるというのはエネルギーが必要なことだと思っています。ですので、キャリアや新卒でFORXAIに関連する知識や経験、そして気概がある人を採用を通じて集めるために説明会や採用系イベントに登壇し魅力を伝えることも実施しています。

そしてその一環として、コニカミノルタが最近開設した人材にフォーカスしたブログに私のインタビュー記事が今回載ることになりました!こちらでは技術広報に至るまでのキャリアをありのまま話しているので、ぜひご興味があればご覧ください!!

  エンジニアから技術広報へ?元“キャリア迷子”が語る「社内のブルーオーシャン」の見つけ方 - シン・企業人:人と会社の新しい関係を考えるメディア | コニカミノルタ 「これまで会社にない仕事」を作った人のお話を紹介します。一見、順風満帆にキャリアを積んできたのかと思いきや、実は20代は自身をキャリア迷子と感じたり、周りの優秀さに勝てないと悩んだりしたこともあったのだとか……。これからの企業人として、会社の中で自分らしさを活かして働くにはどうしたらよいか、コニカミノルタの画像IoTプラットフォーム「FORXAI(フォーサイ)」の技術広報をしている西上直孝さんにお話を伺います。 シン・企業人:人と会社の新しい関係を考えるメディア | コニカミノルタ


技術広報っておいしい仕事なの?

ここまで技術広報の概要と仕事内容について私なりに書かせてもらいましたが、読んでいる人にとって気になるのは「その仕事って役に立つの?」「どんな成長ができるの?」「その先のキャリアってどうなるの?」という点ではないでしょうか?
これもあくまで私見ですが、まずキャリアアップ・成長という点では以下の3つのメリットがあると思います。

①     技術とビジネス、両方の知識・経験が身につく
これは技術広報という仕事柄当然ですね。開発者も要件定義など上流工程を検討するうえで顧客の声などビジネスの面を考えていくこともあると思いますが、技術広報は先の通り社外の開発者や企画職の方はもちろん、場合によっては経営層や海外の販売会社など、よりビジネス的な視点で伝える、という可能性が1つのプロジェクトの開発者という立場の方よりは高いと思います。また、単なる広報・営業よりも技術的な知識が必要で、場合によっては広めるための材料がないなら自分でPoCを作ってわかりやすいサンプルシステムとして相手にお見せする、ということも経験できるので大変な半面、技術・ビジネス両方の知見が身につくと思います。

②     経営層の視点が身につく、説明の場で緊張しなくなる
これは元エンジニアだからかもしれませんが、開発者としてキャリアを積むよりは早く上層部と絡むチャンスがやってくると思います。技術広報として発信されるものは基本会社を代表して外に出るものなので、それなりの役職の方の許可を得る必要が出てきます。するとおのずとより経営層に近い方に提案・意見を求めるという機会も増えるので視座が高くなったという自覚はあります。その副次的な効果として、そういう提案をする(たまに叱咤してもらう)機会が多くなると心臓が強くなるのか、対外的な場で緊張することがなくなり、元々あがり症だった私としてはだいぶ大きなメリットだと感じております。

③     社内外で知っている人が増え、仕事がしやすくなる
こちらもこれまでの話の中でなんとなく想像できるかと思いますが、技術・企画両面でいろいろな人と関わったり技術の輪を広げようとコンタクトを取りに行くので、自然と知り合いが増えていきます。特に自分が知っている・覚えられる知識の量には限界があるので、その知識をすぐ引っ張れる引き出し(というといい方が悪いかもしれませんが)として「この情報ならこの人が知っている」というコネクションをより多く持っていると仕事が前に進んでいきます。そうやって頼れる人が多くなっていく分、自分も頼られる人にならねば、と自信に圧を掛けてインプット・アウトプットを頑張る、というモチベーションにもつながります。

とここまで技術広報のメリットを連ねましたが、向き不向きもありますし技術やビジネスの専門性を磨くには他の職種の方が有利なことは間違いありません。(かくいう私も元エンジニアで、入社当時は一流のエンジニアになることを目指していましたし、まさか広報的な業務をするとは思っていませんでしたから。笑)
ただここ数年エヴァンジェリストという言葉をよく聞くようになったように技術を広める役割の重要性も高まってきていると思いますし、コニカミノルタの中でもニーズが高まっていると肌感覚で思っております。

もしご興味がある方は技術広報を目指してみませんか?
そしてFORXAIを広める仲間になってみたいという方は末尾のリンクをクリックいただければと思います。
ご視聴いただきありがとうございました~!


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Nishigami Naotaka
Nishigami Naotaka
FORXAI事業統括部 事業推進部所属 機械設計、ソフトウェア開発、新規ソリューション開発リーダーを経て、現在FORXAIの技術広報・マーケティングに従事。発信・マーケ戦略策定やイベント企画/出展など発信絡みは幅広く対応中。本サイト・ブログの運営管理者でもある。


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