
コニカミノルタの人財育成「システムアーキテクト」編
目次[非表示]
- 1.はじめに
- 2.コニカミノルタのDX技術人財育成
- 3.システムアーキテクト育成選抜研修(SAS)とは
- 3.1.背景
- 4.SAS研修の内容
- 4.1.概要
- 4.2.特徴
- 4.3.FORXAIとの絡み
- 5.おわりに
はじめに
お久しぶりです。Co-Creation部の矢口です(『技術開発本部 2021年度入社 新人発表会 ~運営編~』)
今回は私の本業である社内外との共創活動の傍ら、長年取り組んでいるシステムアーキテクト人財の育成について紹介させていただきます。
コニカミノルタのDX技術人財育成
今コニカミノルタではDX技術人財の育成と認定に力を入れています。
参照先の記事にもある通り、システムアーキテクト人財の育成についても重点強化内容に入っており、現在第6期の研修が進行中なので後日その内容も紹介させていただく予定ですが、まずは育成の背景や概要について説明させていただきます。
システムアーキテクト育成選抜研修(SAS)とは
背景
これまで述べてきたようにコニカミノルタではシステムアーキテクト人財を育成するため、システムアーキテクト育成選抜研修を実施しており、社内ではSAS(サス)、SAS研修という略称で呼ばれることが多いです。
システム系の社内開発者にとっては知る人ぞ知る研修にはなってきていますが、馴染みのない方にはいきなりSASと聞かされても、イギリス陸軍の特殊部隊であったり、睡眠時無呼吸症候群であったり、スカンジナビア航空であったりを想像されてしまいます。
そんなSAS研修ですが、2010年に第1期の研修が開講されました。
この研修が企画・開催された背景にはコニカミノルタが扱うシステム規模の増大に伴い分業化が進み、システム全体を把握できる人財の代替わりがうまくいっていないことに危機感を覚えた有志によって立ち上げられました。
この有志の中には現CTOの江口常務もおり、立ち上げ時の有志の方々は既に本研修の運営からは退いておられますが、現在は私をはじめとして各期の受講生がOBとして運営メンバーの大半を構成するようになり、この研修を企画した諸先輩方の想いを受け継いで現在第6期の研修を絶賛実施中です。
今ではDX技術人財のひとつとして育成・認定を進めている本研修の事の起こりは全く違う観点でありますが、その時々に合わせてブラッシュアップを行っていくことで、今ではDXには必要不可欠な「ロール」であるとしてさらに重要度は増していると考えています。
私も第1期の受講生であり、毎月開催の集合研修毎に実施されている研修内容に対するアンケートに対して好き放題書いていたら目を付けられしまったのか、半ば強引に(?)第2期から運営側に組み込まれてしまい、第5期以降運営リーダーとして研修の全体推進役を担っています。
ということでこの研修が始まってから現在までずっと関わっている唯一の人間であり、カリキュラム検討などでは生き字引のような存在になっています。
下の写真は研修最後の報告会向けの自己紹介ポスターの切り抜きと報告会におけるデモンストレーションの時の私です。若い!
およそ10年前ですがGPGPUに関する提案をしたのでGPGPUの「G」です(笑)
SAS研修の内容
概要
この研修はシステム開発系の部門長が推薦するメンバーを15名程度集め、月に1回の集合研修を1年~1.5年かけて実施する長丁場の研修となっています。
当然、各集合研修の合間には山のような課題が出され、各受講生は業務の傍ら研修の課題にも取り組まなければならないというタフな状況に追い込まれます。
こういった状況を見た受講生以外の方々によってとても大変な研修だという噂が独り歩きしている様相を呈しているのですが、受講生に研修を修了した後に聞いてみると通常の業務では得難い経験ができたとみんな言ってくれます。(もっとそれを部署内に広めて欲しい)
そんなSAS研修は現在以下のような流れで構成されています。
Phase1:技術深堀、Phase2:システム設計実践、Phase3:最終提案
各カリキュラムの詳細は先述の通り、今後各Phase検討・運営のリーダーさんたちにもブログ投稿してもらいますが、それぞれのPhaseでのカリキュラム概要は以下のような感じです。
- Phase1:ハードウェアからクラウドまでのシステムにおける技術要素の深堀
- Phase2:要求から要件を定義し、それをシステム設計に反映させた上でのシステム構築
- Phase3:提供価値の検討からスタートし、その価値を具現化するシステムを開発、最終発表会では技術系の役員をお招きしてプレゼンテーションとシステムのデモンストレーションを実施。
最終発表会では実際にシステムを動かしてデモンストレーションをするというのがこの研修の特色でもあり、毎年ご来賓にも体験いただくことでご好評をいただいています。
残念ながら最終発表テーマがそのまま新規ビジネスになったという事例はまだないのですが、いつかそうなる日がくればいいなと思っています。
また、現在コニカミノルタ内でいろいろ進んでいる新規事業の多くに、本研修の卒業生たちが関わっているので、今後も社内外で活躍できる人財の育成を進めていきたいと考えています。
以下は卒業生が活躍している事例です。
特徴
上述の通り、最終的に自分たちが考えて作ったシステムを使ったデモンストレーションをするという点が一番の特徴です。
そのために、システムを構成する基本要素を学び、最終的なアウトプットに向けて必要な要素を組み合わせて役割分担を決め、さらにそうした理由を自分の言葉で語れるようになってもらうことを目指したカリキュラム構成となっています。
また、技術ではない部分においても、プレゼンテーション、課題形成、能動的に動く、チームビルディングなどの経験をOff-JTで学ぶものとなっています。
他の特徴としては、第4期から取り入れているファミコン研修です。
第1期から研修にご協力いただいている東海大学の清水先生監修の研修コンテンツであり、ファミコンで利用されているアーキテクチャを学び、実際にゲームを作ってみるという刺激的な内容です。
第5期では日経ビジネスにも取材を受けるなど、内外の注目度も高いものとなっています。
FORXAIとの絡み
FORXAIブログなのにFORXAIとのつながりについて書いていませんでした。。。
FORXAIとは画像IoTのプラットフォームであり、我々が取り扱うシステムも昨今IoT要素がかなり色濃くなってきています。
こうした状況から研修コンテンツとしてFORXAIを取り入れることで、画像IoTのシステム構築が効率化されるだけではなく、最終報告会のテーマにおいてFORXAI活用した提案が出てきてそれが公式な活用事例になることや、FORXAIにあまり馴染みのなかった受講生達にFORXAIを使ったシステム構築を理解してもらい、さらには研修修了後に職場に戻っていったあともFORXAI活用した提案をしていってもらうためのきっかけにもなることも期待しています。
実際にはFORXAI Edge DeviceであるMOBOTIX S74上でFORXAI Imaging AI(FORXAI Skeleton Recognition)を動かすシステムをPhase1・技術深堀フェーズ内で構築し、独自のコンセプトを入れたアプリケーションを開発してもらっています。
おわりに
ここまでコニカミノルタで10年以上続いているシステムアーキテクト人財の育成について紹介させていただきました。
現在開催中の第6期の情報については本ブログ上でもお伝えしていきます。乞うご期待!
コニカミノルタは画像IoTプラットフォームFORXAIを通じて、お客様やパートナー様との共創を加速させ、技術・ソリューションの提供により人間社会の進化に貢献してまいります。
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