
JSAI 2022に参加してきました! ~AI倫理・ガバナンス編~
目次[非表示]
- 1.はじめに
- 2.コニカミノルタが考えるAI利活用
- 3.JSAI2022での発表の概要
- 3.1.AIガバナンス
- 3.2.共創型事業が増えている
- 3.3.共創型事業における AI 原則実践上の課題と解決策の考察
- 4.おわりに
- 5.引用
- 6.参考
はじめに
こんにちは!技術開発本部 技術戦略統括部の石田です。
2022年6月14日(火)~6月17日(金)に開催された人工知能学会全国大会(The Japanese Society for Artificial Intelligence、以下JSAI)の“AI倫理・ガバナンス −イノベーションと規制の狭間で”セッションで口頭発表してきました!
(JSAIでのコニカミノルタについては、ブログ「JSAI2022に参加してきました!」もぜひご覧ください。)
コニカミノルタが考えるAI利活用
コニカミノルタは、「Imaging to the People」を経営ビジョンに掲げ、「人間中心の生きがい追求」と「持続的な社会の実現」を目指しています。その実現のために、製品・サービスや、研究開発、生産、販売といった事業活動において、AIの利活用を進めています。
一方で、AIの誤った利活用はプライバシー侵害や人権侵害などを始め、様々な問題を生じる可能性もあります。
そこで、コニカミノルタでは、AIの適正な利活用についてグループ共通の認識を持ち、一丸となって人間中心のより良い社会を実現すべく「コニカミノルタグループ AI利活用に関する基本方針」を策定しました。グローバルに事業を展開する企業として、全世界のメンバーがこの方針のもと、AIの積極的な利活用に取り組んでいます。
AIの利活用で及ぼされる悪い影響について考えることは一見守りの施策のように見えますが、信頼性や安心感といった価値を生み出すことにもつながる、攻めの一手でもあると私たちは考えています。
(「コニカミノルタグループ AI利活用に関する基本方針」については、こちらをご覧ください)
JSAI2022での発表の概要
それでは、JSAI2022での発表内容をご紹介します!
タイトル:共創型事業におけるAI 原則の実践に向けた課題と考察
発表者:技術開発本部技術戦略統括部 石田 哲也、奥田 浩人
AIガバナンス
急速に進化し続けるAI技術ですが、大きな便益が期待される一方で、誤った利活用をすると問題を生じる可能性もあります。この問題が生じる可能性を可能な限り低減するために、欧州でAI規制案が活発に議論されるなど、AIガバナンスが注目されています。
共創型事業が増えている
また、AIを利活用した製品やサービスの開発においては、例えばAI技術開発に強みを持つ企業と、サービスの開発に強みを持つ企業とが共創することによって、単独では成し得なかったイノベーションを起こす、「共創型事業」が増えています。コニカミノルタにおいても、お客様やパートナーと共に社会のDXを加速させる画像IoTのプラットフォーム「FORXAI(フォーサイ)」により共創型事業を推進しており、共創型事業におけるAIガバナンスを考える必要があります。
共創型事業における AI 原則実践上の課題と解決策の考察
リスクに対する考え方の異なる様々なステークホルダーによる共創型事業において、AIガバナンスを実践することは容易ではありません。AIガバナンスに関するゴールをどこに置くのか、そのためにステークホルダー間でどういう情報共有を誰が共有するのか、リスクを低減するための対策コストを誰が負担するのか、といった多くの課題があります。
これらの課題を解決するためには、公的機関が発行する各種ガイドラインをベースとして、ステークホルダー間で議論し共通認識を形成すること、また、その事例を積み上げてガイドラインにフィードバックし具体化を促進しながら広く社会に共有することが重要と考えています。
おわりに
今回JSAI2022での発表を通じて、金融やメーカーなど幅広い業界の方々からご質問いただき、業界を超えた意見交換ができたことは、非常に有意義な経験となりました。
今後とも、FORXAIパートナーの皆さんとともに、共創型事業におけるAIガバナンスを実践することで、人間中心のより良い社会の実現に向け、邁進してまいります!
引用
[1] Stanford University HAI, “2021 AI Index Report”, 2021
[2] Anna Jobin, Marcello Ienca, and Effy Vayena., “The global landscape of AI ethics guidelines”, 2019
[3] 経済産業省, “AI原則実践のためのガバナンス・ガイドライン Ver. 1.1”, 2022
[4] 松本 敬史, 江間 有沙., “AIサービスのリスクコントロールを検討するためのモデル提案”, JSAI 2020
[5] 富士通株式会社, “AI倫理影響評価 ホワイトペーパー”, 2022
[6] 株式会社エヌ・ティ・ティ・データ, 技術ブログ “AIガバナンス確立へ~AIアドバイザリーボード2022年度総会”, 2022
参考
人工知能学会