
技術戦略企画・推進という仕事
私が担当している技術戦略の企画・推進という仕事について紹介したいと思います。
技術戦略企画・推進の仕事とは?
ところで「技術戦略」という言葉を聞いた事はありますか?
「経営戦略」や「事業戦略」という言葉に比べて、聞きなじみがないという方も多いのではないでしょうか。
私も自分が担当するまでどんな仕事なのか、あまりよく知りませんでした。
色々な解釈があるかと思いますが、「技術戦略」とは、『商品を成り立たせる「要素技術」開発をするために限られた資産(ヒト・モノ・カネ)を限られた時間(3年以内で、など)でどこに振り向けるかを示す方針や実現するための施策』だと思っています。方針や施策の検討が『企画』にあたり、実行が『推進』にあたります。
よりイメージを持ってもらえるよう、コニカミノルタの介護事業者向けの事業を例に挙げて説明します。
コニカミノルタの介護事業者向けに開発した商品として、HitomeQ ケアサポートという商品があります。
居室の天井に取り付けた行動分析センサーで介護施設の利用者様の起床/離床/転倒・転落などの注意行動を認識します。ケアコールや利用者様の行動を起点に、居室の状況を手元で確認できるため、急いで訪室、準備してから訪室、お声がけのみで訪室しないといった判断を可能にし、介護職員の業務負担削減と介護サービスの品質の向上に貢献するという商品です。
HitomeQ ケアサポートという商品の実現に必要な要素技術の一つとして、起床/離床/転倒・転落などの注意行動を認識するAIがあります。商品開発するにあたって、この要素技術が新たに必要になり、自社で開発しました。
商品開発のアプローチとして、既にある技術を組み合わせて開発する方法もありますが、このように新たに必要な要素技術を開発して商品開発に生かす、というケースがコニカミノルタでは多く発生します。
多くの新商品が生まれるコニカミノルタにおいて、価値や競合優位性を出すための要素技術開発をするために限られた資産を限られた時間でどこに振り向けるかを日々考えております。
技術戦略企画・推進の仕事の進め方
技術戦略企画
商品を成り立たせる「要素技術」開発をするために限られた資産を限られた時間でどこに振り向けるのかについて、考えた結果を表現する成果物は『技術ロードマップ』となります。この技術ロードマップを作っては更新するというのを繰り返すというのが、技術戦略の企画の主な仕事となります。
技術ロードマップを作るアプローチとして主に2つあります。
1つ目は、商品開発時のニーズを基に必要な要素技術を検討するアプローチです。
HitomeQ ケアサポートのような商品を企画・開発・販売する事業部のニーズから必要な技術を定義します。事業部で作成される商品開発ロードマップなどの計画を基に商品を成り立たせるために必要な技術は何かを検討して、開発テーマを起案します。
2つ目は、技術トレンドを基に要素技術を検討するアプローチです。
世の中の技術トレンドを調査・有識者へのヒアリングを通して、コニカミノルタの商品に生かせそうな要素技術を探ります。商品開発に生かせる可能性や技術確立の実現性などを関係者と検討して、開発テーマを起案します。
このような形で要素技術開発テーマの候補を洗い出し、優先順位に沿って限られた資産を限られた期間でどこに割り当てていくのかを関係するメンバーと議論し、技術ロードマップに落とし込みます。
技術戦略推進
技術戦略を企画した後は実行に移ります。基本的には開発メンバーに開発を推進してもらう形になりますが、開発を進めていく中で開発メンバーだけでは解決できない課題が発生します。コニカミノルタはグローバル企業ですので、開発した技術を海外拠点にも使ってもらうようにするためにはどうすれば良いのか、といった課題が発生します。課題に対する解決策を考え、海外拠点のメンバーとコミュニケーションを取りながら対応にあたります。あくまでこれは一例にすぎず、都度発生する様々な課題に対しての対応案を考え、自らリードして解決に向かって動きます。
エンジニアの次のキャリアステップとしてアリなのでは?
私は、技術戦略企画・推進の仕事をする前は業務系システムを開発するITエンジニアをしておりました。技術戦略企画・推進の仕事はITエンジニア時代の経験が非常に役に立つと感じました。
新たな開発テーマを企画する際には、
①その技術が誰のどんな課題を解決するのか
②どんな使い方をするのか
といった視点で考える事が重要だと感じました。
様々な技術を組み合わせてお客様の課題を解決するシステムを開発し導入するITエンジニア時代にこの2点を意識するマインドセットが身に付きました。このマインドセットは、要素技術を利用してシステムを開発する人と開発したシステムを利用する人の両者をイメージしながら必要な技術を検討する上で大きなアドバンテージになっていると思います。なので、ITエンジニアの次のキャリアステップの一つとしてアリなのでは?と思っております。
コニカミノルタでは、収益の多くを占めているオフィス事業に続く事業の構築が求められております。特に既存/新規の事業のDX化を加速させる事であらたな事業を確立させる、というアプローチに注力しています。DX化を加速させるために必要な要素技術を企画し、実現させるという仕事に大きな期待がかかっていると同時にやりがいを感じています。このダイナミックな仕事を一緒に進めてみませんか?もしご興味があれば、ご連絡をお待ちしております。
コニカミノルタは画像IoTプラットフォームFORXAIを通じて、お客様やパートナー様との共創を加速させ、技術・ソリューションの提供により人間社会の進化に貢献してまいります。
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