
エッジでAIを高速に実現するボックス型の機器の開発
FORXAI Engineering Blogをご覧いただきありがとうございます。
技術開発本部 FORXAI開発センター アーキテクチャ開発部の前川です。AIアクセラレーターを活用したシステムの開発を担当しています。
エッジでAIを高速に実現するボックス型の機器(以下、BOXと称する)を試作し、進入禁止エリアに入ってきた物体(人、車、自転車)を検出するサンプルアプリケーションを試作しましたので、紹介します。
目次[非表示]
- 1.背景
- 2.試作したBOX
- 3.AIアクセラレーターの紹介
- 4.サンプルアプリケーション
- 5.これからの開発
背景
近年カメラなどのセンサーデバイスから取得したデータをユーザのデバイス内でAI処理させる、エッジ AIのニーズが高まってきています。現場でリアルタイムにAI処理を行いたい、セキュリティの観点からクラウドに画像データをあげたくないなど理由は様々です。
また、AI処理に対するニーズとして、新たな設備の構築はせず、既存の設備環境や導入済みネットワークカメラを使用し、取得した画像のAI処理を行いたいという声もお聞きします。
こういった背景から容易に導入可能なエッジデバイスの開発を進めています。
試作したBOX
写真は、今回試作したBOXです。
AIアクセラレーター Hailo-8を搭載しており、高速にAI処理を行うことが出来ることが特徴です。また、複数のネットワークカメラのデータをリアルタイムにAI処理させることも可能です。
Ethernet(LAN)、USB3.0, SD, PCI-Express, RS232C、GPIOなど多様なインターフェースをもたせています。
こだわったポイントは、3つあります。
- インターフェース
2つのPCI-Expressを持つことで、ストレージの拡張やAIアクセラレーターの拡張など使用用途に応じた拡張性を持たせています。 - 電源
DC電源とPoE給電の両方に対応した電源です。設置場所に応じた給電方法を選択することが可能です。 - 筐体
ファンレス構造を採用しています。多様な設置場所への対応が可能です。
AIアクセラレーターの紹介
採用したAIアクセラレーターは、Hailo社のHailo-8です。
Hailo社の技術は世界中から注目を浴びており、小型かつ低消費で、非常に高速なAI処理を実現することが可能です。
Hailo社と弊社は、FORXAIのパートナー関係にあり、特にアプリ開発においては、仕様を両社で確認し、Hailo社よりプロジェクトに応じたサンプルアプリケーションを提供いただくなど、多くの協力を得て試作できました。
Hailo-8 AI Processor for Edge Devices
サンプルアプリケーション
今回開発したサンプルアプリケーションは、進入禁止エリアに進入した物体(人、車、自転車)を検出し、人の場合はその属性(性別、年齢)を検出しアラートを上げるというものです。
高速道路の入口/出口に対する誤進入を題材としました。
※外観に基づく機械学習・統計情報から択一的に選択した結果です。これが属性情報を断定するものでは無いことをご理解ください。
動画では、赤い面を進入禁止エリアに見立て、進入禁止エリアに自動車以外の物体(人、自転車)が進入した時、右上のインディケーターにアラートを示します。
進入の検知には、物体検出と人物の属性推定、2つのAI処理を使用しています。Hailo8の特徴を活かし、2つのアルゴリズムを同時に処理し、15FPS以上の速度で動作させることができました。
これからの開発
今後は複数のネットワークカメラに対して画像AI処理を行えるようにしたり、AI処理のラインナップを拡充させていく予定です。
皆様にもこのBOXを体感いただけるよう、展示会などへの出展を検討しています。
展示会などで見かけた際には、ぜひ体感いただければと思います。
また、実用テストを経て製品として積極的に様々な分野へ適用できるようにしたいと考えています。
Hailo社には、サンプル提供など多大なご協力をいただきありがとうございました。この場を借りてお礼申し上げます。
We would like to thank Hailo for their great cooperation in providing samples. I would like to take this moment to say thank you.
コニカミノルタは画像IoTプラットフォームFORXAIを通じて、お客様やパートナー様との共創を加速させ、技術・ソリューションの提供により人間社会の進化に貢献してまいります。