
現役陸上選手が聞く!Runalyticエンジニアインタビュー
目次[非表示]
- 1.Runalytic®とは
- 2. エンジニアに聞いてみました
- 2.1.- 何を開発したのか?
- 2.2.- AI技術の特長&ポイント
- 2.3.- AI技術の将来的な応用は?
- 2.4.- 苦労したこと&やりがい
- 2.5.- エンジニアとしての成長は?
- 2.6.- プロジェクトに取り組んでみて
- 3.おわりに
Runalytic®とは
Runalytic(ラナリティック)は、画像IoT技術を用いて市民ランナーのフォーム改善を支援するシステムです。FORXAI Imaging AIの高速・高精度な骨格検出AIの技術を用いてリアルタイムにランナーの姿勢に骨格表示を重畳、フォームの解析・改善アドバイスを提案するサービスです。
Runalyticについては詳しく知りたい人は下記リンクをクリックしてください。
RunalyticはFORXAIの技術の認知度を向上させるためにスタートしたプロジェクトで、これまでFORXAIの事例として国内外問わず出展してきました。
中国での博覧会出展の様子(2020年11月)
今回は開発秘話とコニカミノルタでの働き方について現役陸上選手である私、大山がエンジニアにインタビューしてきました!
エンジニアに聞いてみました
インタビューにご協力いただいたのは、技術開発本部 FORXAI開発センターの竹田さんと山野さんです。
ちなみに私のプロフィールは下記陸上競技部HPでも紹介しています。ぜひご覧ください!
FORXAI IoT Platform・FORXAI Imaging AIについて詳しく知りたい方は下記リンクをクリックしてください。
竹田さんが開発に携わったFORXAI IoT Platformはコチラ
山野さんが開発に携わっているFORXAI Imaging AIはコチラ
では早速聞いていきましょう。
- 何を開発したのか?
大山:まずはRunalytic開発で担当した内容を教えてください。
竹田:もともとFORXAI IoT Platformの前身となるシステムと姿勢推定技術を組み合わせたソリューションを開発していたのですが、「FORXAIの技術をわかりやすく示すシステムを作る」ということで参加しました。
担当していたのはバックエンドの開発でしたが、リアルタイムでの描画を行う場合のインターフェースも検討する必要があり、フロントエンド側の通信処理や描画のサンプルも開発し処理時間の評価を行いました。バックエンドだけでなく必要なことは一通りやったという感じです。
山野:私は静止画からの骨格検出、及び、検出結果を分析するアルゴリズムを担当しました。経緯としては上長から依頼されたからというのが正直なところ(笑)ですが、内容も非常に興味深かったのでお引き受けすることにしました。転職してきてまだ会社のことが分からない状況だったので、コニカミノルタならではの陸上競技部の方と触れ合える良い機会と思いました。
大山:竹田さんは技術普及の観点で、山野さんはプロジェクトに興味があって参加されたんですね。
- AI技術の特長&ポイント
大山:続いて、お二人とも専門技術を活かしてRunalyticを開発されたと思いますが、FORXAI IoT Plaform・FORXAI Imaging AIを用いた技術の特長・PRポイントを教えてください。
竹田:近年のシステムは、プラットフォームや使用するライブラリに合わせ、複数の開発言語による成果物を組み合わせて開発するようになっています。RunalyticにおいてもC++、Python、Golang、TypeScriptなどが使われています。並行開発しやすいよう構成要素の独立性を高めた疎結合とするのが理想ですが、一方でリアルタイム描画のために速度を重視し密結合が必要となる部分もあり、バランスには気を使いました。
山野:一般的にAIは速度と精度はトレードオフの関係にあることが多いです。つまり、AIを早く処理させようとすると認識の精度が落ち、一方でAIの認識精度を上げようとすると処理が遅くなってしまうのです。
今回用いたImaging AI技術はリソースが小さいマシンでも高速に動くことを特長としたもので、骨格の検出結果には誤りも含まれるため、解析に用いるにはクレンジング処理を行う必要があります。様々なフォームデータで頑健にクレンジングを行うためにランニングマシーンならではの周期性を考慮したアルゴリズムにしたことが工夫点です。
大山:なるほど…エンジニアならではの工夫がRunalyticには詰まっているんですね。
- AI技術の将来的な応用は?
大山:このようにRunalyticにはコニカミノルタ独自の技術を活用していますが、今後この技術をどのようなところで生かしていきたいですか?
竹田:既に開発からしばらく期間が経過しているので、もはや「今後」というわけではありませんが、Runalyticの開発過程で行った試作、評価の結果はFORXAIに生かしています。
山野:検出結果の時系列データに対してクレンジングする処理は他のアプリにも活かせる部分かなと考えています。
大山:ありがとうございます。
- 苦労したこと&やりがい
大山:それでは今度は竹田さん・山野さんがRunalyticを通じて感じた働き方などを聞いていきたいと思いますが、まずは苦労したこと、またはやりがいがあれば教えてください。
竹田:最初のお披露目の直前、現場から「動かない」と連絡を受けて対応したことです。その日に限って現場に不在で、またオフラインでの運用だったので遠隔地での原因特定は困難でした。最終的には動作しましたが、当時Runalyticでは実装していなかったFORXAI IoT Platformのリモート管理機能の重要性を痛感しました。
山野:開発当初はデータが少なかったり偏っていたりしたのでアルゴリズム開発が大変でした。ただ、普段なかなか触れ合えない陸上競技部の方や他の部署の方と触れ合えてコニカミノルタに転職してきたことを実感して嬉しかったです。
大山:Runalytic開発を通して、いろいろな苦労がありながらもやりがいを感じたのですね。
- エンジニアとしての成長は?
大山:では、この経験でご自身が成長した・こんなスキルが身についたと感じたことがあれば教えてください。
竹田:展示などを通じ目の前でお客様に使っていただくシステムですので、反応を見ることができたことはよかったです。また、実際には使わなかったものも含め、開発の過程でいろいろな技術を試したのも良い思い出です。
山野:転職してきて初めての他の部署の方とのお仕事ということでコミュニケーション能力かなと思います。この縁もあって、今も色々なところでご一緒させて頂いていますので。
- プロジェクトに取り組んでみて
大山:最後に、Runalytic開発活動を通して、コニカミノルタそしてFORXAI開発センターという組織で取り組んで良かった点があれば教えてください。
竹田:大山さんに協力いただけたことに象徴されますが、開発に多様なメンバーが参加していたことは良かったと思います。この開発を通じてAI技術の開発チームとシステムを開発するチームの結びつきが強くなるなどの効果がありました。AI人材が不足していると言われていますが、AIから得られるデータを使いこなせる人材が必要です。Runalyticではその一例を示せたのではないかと思います。
山野:短期間の開発でしたがFORXAI開発センターには技術好きな方、フレンドリーな方が多いので自部署担当という枠にとらわれずディスカッションすることで間に合わせることが出来たのだと思います。またコニカミノルタという観点では、やはり大山さんはじめ陸上競技部の方のアドバイスなしには作れないものだったと思うので、陸上競技部の方も積極的に協力してくださったからこその活動だったかなと思います。
大山:お二人とも業務がお忙しい中、インタビューに対応いただきありがとうございました!
おわりに
Runalyticは社内外・国内外で紹介しており、市民ランナーの方にも体験頂いて「参考になった」「自分の走りについて再認識できた」との声を複数頂いております。
そして、コニカミノルタ陸上競技部HPにもフォームの重要性と共にRunalyticを紹介するコラムが掲載されています。
私が初回ナビゲーターを務めており、よりRunalytic・骨格検出AIの有効性が分かって頂けると思います、ぜひご覧ください!(宣伝です。笑)
Runalyticの開発秘話とこのプロジェクトを通して感じたコニカミノルタでの働き方についてご理解いただけたでしょうか?
私は陸上競技部と兼任してこのプロジェクトに関わり、自身の経験やコニカミノルタ陸上競技部の知見を開発に生かすことができました。また、たくさんの社員や社外の方々と関わることができ、楽しく仕事をすることができました。今後も様々なプロジェクトに携わっていきたいと思います。
技術開発・働き方に興味を持った方はこちらをご覧ください。
ご覧頂きありがとうございました!
コニカミノルタは画像IoTプラットフォームFORXAIを通じて、お客様やパートナー様との共創を加速させ、技術・ソリューションの提供により人間社会の進化に貢献してまいります。