
低遅延カメラシステムの紹介
目次[非表示]
- 1.コニカミノルタ 5Gの取り組み
- 2.低遅延カメラシステムの紹介
- 3.低遅延カメラシステムの効果
- 4.低遅延カメラのこれから
- 5.おわりに
コニカミノルタ 5Gの取り組み
コニカミノルタはキャリア5G通信とローカル5G通信を利用したハイブリッドの5Gオープンラボを開設し、コニカミノルタが持つ画像IoT/AI技術を通じて非接触、リモート、リアルタイムな対応が可能となるソリューション、新しい技術の開発に取り組んでいます。また、コニカミノルタだけでなく、パートナー企業、研究・教育機関と共に5Gオープンラボで新たな価値の社会実装・事業化の加速に取り組んでいます。
低遅延カメラシステムの紹介
5G通信を利用した画像IoT技術の一つとして、低遅延カメラシステムを紹介します。
遠隔操作を行う場合、遅延が 100msを越えると人は違和感を感じると言われています。一般的なネットワークカメラの遅延は600ms~1秒となり、リアルタイムに遠隔操作を行うには難しい遅延となります。また、ネットワークの転送時間は全体の約1/3 程度であり、通信時間だけを5Gで短縮したとしてもリアルタイムな遠隔操作には十分ではありません。5Gの持つ大容量/低遅延の特徴を活かすには、画像を送信するカメラ、画像を受信するサーバー含めてシステム全体で遅延を減らす必要があります。
そこでコニカミノルタはカメラからサーバーまでシステム全体で超低遅延に取り組み、リアルタイムな操作が可能な低遅延カメラシステムの開発を進めています。
低遅延カメラシステムの効果
現在の低遅延カメラシステムでは、カメラ、サーバー含めてシステム全体で60~80ms の遅延まで実現できており、低遅延を体感できます。
低遅延を体験できるデモとして、ラジコンカーの停止操作実験を紹介します。
まず、一般的な市販のネットワークカメラで送信された映像を見ながら操作し、ブレーキ位置に来た時に、ラジコンを止める操作を行います。
動画1:一般的な市販のネットワークカメラ
上部が実際のラジコンカーの映像、下部が市販カメラで送信された映像
ラジコンが停止位置に来た時、転送された映像(下側)では、ラジコンはスタート地点で停止したままです。したがって、停止が間に合わず、壁に衝突してしまいます。将来にブレーキをAIで行ったとしても、伝送される映像が遅延していては、ブレーキが間に合いません。
次に、コニカミノルタで開発中の低遅延カメラでの操作です。
動画2:低遅延カメラ
上部が実際のラジコンカーの映像、下部が低遅延カメラで送信された映像
低遅延カメラの映像では、実物と送信された映像の遅延は 60~80msとなるため、ほぼリアルタイムにラジコンを操作できます。停止位置で止める操作が間に合い、衝突を回避することが可能です。
低遅延カメラのこれから
今後は低遅延カメラのプロトタイプをパートナー企業へ提供し、低遅延性を訴求点としたソリューションの実証実験、事業化検討を進めていきます。
また、低遅延カメラシステムの低照度への対応性から、弊社の事業であるプラネタリウムでのトラブル解析に向けて実証実験も計画中です。
その他、リアルタイムAIを可能とするエッジデバイス開発環境として、低遅延カメラシステムの活用検討を進めています。
おわりに
今回は5G通信を利用した画像IoT技術の1つ低遅延カメラシステムを紹介させていただきました。5Gオープンラボでは、低遅延カメラシステムだけでなく、その他にも5Gを活用したコニカミノルタの画像IoT/AI技術のソリューション、技術開発に取り組んでいます。
コニカミノルタは画像IoTプラットフォームFORXAIを通じて、お客様やパートナー様との共創を加速させ、技術・ソリューションを提供することで社会の進化に貢献してまいります。