
KONICA MINOLTA Hackathon 2022実施報告
FORXAI Engineering Blogをご覧頂きありがとうございます!
ブログ立ち上げ記事を公開した技術広報担当の西上です。
去る2/16(水)および2/19(土)・20(日)の計3日間にわたり、KONICA MINOLTA Hackathonを実施しました。
新型コロナウイルス対策を万全に行った上で、東京八王子・大阪高槻の2拠点同時開催というコニカミノルタ初の試みで実施したイベントの様子をご紹介します。
目次[非表示]
- 1.KONICA MINOLTA Hackathonとは
- 2.今年のテーマ・技術概要
- 3.当日の様子
- 3.1.初日(2/16:アイデアソン)
- 3.2.2日目・3日目(2/19・2/20:ハッカソン)
- 3.3.ピッチ・結果発表
- 4.おわりに
KONICA MINOLTA Hackathonとは
今年で5回目となるKONICA MINOLTA Hackathon 2022はコニカミノルタが近年力を入れている「画像」×「AI/IoT」の技術を用いて、FORXAIのネーミングに込めた「先見性:Foresight」と「AIを社会のために:For X AI」という想いを体現するような熱意と課題解決力を持ったAI・IoTエンジニアの発掘を目的として実施しております。
今年のテーマ・技術概要
今回のハッカソンのテーマは、
『"FORXAI"~エッジAIを活用して、あなたの「みたい」を叶えるサービスを開発しよう!』
でした。
FORXAIのブランドを立ち上げ1年あまり経過し、AIを容易に実装できる環境の整備に取り組んできました。今回はFORXAIのAI機能をエッジデバイスで体験できるFORXAI Experience Kit(以下、FEK)を活用して、参加学生自身が普段から「みたい」と思っている課題を熱意と技術力で解決していく、そのようなサービス開発を社員メンターの支援の下ハッカソンの中で体験してもらうことにしました。
活用する技術としてはFEKのデバイスおよびデバイス内で処理するコニカミノルタ独自の姿勢推定アルゴリズムおよび物体認識アルゴリズムをベースにチームで議論し、WEBアプリや外部ツールとのAPI連携など自由に選定してもらいました。
当日の様子
初日(2/16:アイデアソン)
まずは2日目以降で開発するサービスをチームで共有・具現化するため、初日はリモートでアイデアソンを実施しました。コニカミノルタ社員が実際にアイデア発想に用いる手法を使って、『あなたの「みたい」を叶えるサービス』を深堀していくことにしました。
どのチームも学生・メンターとも初顔合わせ、かつ初めて使うアイデア検討手法に戸惑いながらも個人ワーク・グループワークを通じて、メンバーのバックグラウンドや思考、特性の違いを感じながらより多くの人が欲しくなる、役に立つサービス案にブラッシュアップしていくことになりました。
1日目終了時に参加学生からも「やはりリアルで会って、さらに意見を共有したい」「実際に働く施設や社員と話がしたい」という声をもらい、2日目以降のハッカソンへの期待感が高まる内容になりました。
2日目・3日目(2/19・2/20:ハッカソン)
初日で各チームが練り上げたアイデアを引っさげ、いよいよ2拠点並行でのハッカソンの幕開けとなります。かくいう社員メンター・運営スタッフも日頃リモートワークの社員が多く、参加学生と同じぐらいの新鮮な感覚で始まりました。
まずは各チームでアイデアを実装していくための設計検討を始めましたが、ユースケースを深堀しMVP(Minimum Viable Product:ユーザーに提供する必要最小限の価値)の追求を始めるチーム、タイムスケジュールをきちんと決めてから動くチーム、組織のモチベーションを上げるため声掛けルールを定めるチームなど進め方にもチームの特色が出ていていました。
そして、いよいよ実装開始。全国各地から集まった熱意と技術力ある学生ということもあり、エッジAI処理を気軽に試すことができることを特徴とするFEKをハックしていき、数時間でアウトプットを出し始めていきます。中には社員メンターが学生から教わるという場面もあり、社員にとってもかなり刺激のある経験になったと思います。
作業の合間には、せっかくのオフライン開催ということでFEK以外のFORXAIの技術(AIアクセラ―レーターへの属性検出AI実装、LOVOT:GROOVE X社との協業検討)にも触れていただき、メーカ―ならではのリアルな現場で稼働するIoT・AIを体感してもらいコニカミノルタの事業により関心を持ってもらえたと考えております。
3日目の終盤になると開発のバグ修正や急な機能追加に加え、資料作成やデモの準備で学生・メンターともに大忙し…となるのが例年のはずだったのですが、今年はFEKの開発のしやすさなのか、事前検討や開発がスムーズにできたからか、大きな混乱もなく粛々と開発や発表準備を進めるチームが多数で今までにない安心感の中、Code freezeを迎えました。
コロナ禍の中でも臆せず自分の力を試そうと参加した学生の皆さん、伊達じゃないです。
ピッチ・結果発表
そうこうしているうちに、最終発表であるピッチが始まりました。2拠点同時開催ということで他拠点の参加者にも分かりやすいデモを意識したり、参加学生だけでは手が足りない時はメンターの手も借りて『あなたの「みたい」を叶えるサービス』の魅力を存分にプレゼンしていました。
審査基準には、実装力・実現度のほかに課題解決力・プレゼン力のポイントもあり、審査員からの技術・デザインに関する厳しい質問や指摘にも果敢に応えていく姿に苦楽を共にしたメンターも感動していたのではないでしょうか。
いよいよハッカソンも大詰め、審査結果の発表となりました。結果発表時に審査員長であるIoTサービスPF開発統括部長の岸恵一からのコメントにもあったように「全チームに最優秀賞をあげたい」と思えるほど素晴らしいサービスばかりでした。
とはいえハッカソン、最優秀賞を決めなければいけません。最優秀賞に輝いたのは「Suit Timing」、FEKの技術を最も使い倒した実装力と事業化したくなるほど具体化されたユースケースが評価されました。(筆者がメンターを務めたチームでした、えっへん)
最優秀賞
サービス名 |
Suit Timing |
ターゲット |
アパレルショップや家電量販店で買い物をするお客さん |
「みたい」を叶えるポイント |
店員に対して適切な声かけのタイミングを通知することでお客さんの満足度向上と店員の作業効率化 |
技術的特徴 |
・FEK:物体検知アルゴリズム(領域内のかばんの検知)
・FEK:姿勢推定アルゴリズム(体全体の動きの有無・首振りの検知)
・上記トリガによる音の通知(店員へのイヤモニ通知を想定)
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惜しくも最優秀賞を逃してしまいましたが、それぞれ『あなたの「みたい」を叶える』を具現化させた素晴らしいピッチの内容も発表順にご紹介します。
サービス名 |
F4 |
ターゲット |
好きなアーティストのライブに参戦するファン |
「みたい」を叶えるポイント |
観客の盛り上がり具合をアーティストに見せ双方向のコミュニケーションを取り一体感を高める |
技術的特徴 |
・FEK:姿勢推定アルゴリズム(腕の動きの変位の検出)
・上記トリガによるライブ映像の演出の変化(アーティスト側・観客側)
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サービス名 |
子供みまもりTAI |
ターゲット |
幼い子供を持つ親 |
「みたい」を叶えるポイント |
目を離している間の子供の危険箇所への接近・誤飲を検知し通知、対処方法を提示し事故を防ぐ |
技術的特徴 |
・FEK:姿勢推定アルゴリズム(特定場所への移動・口と手の接近動作の検出)
・上記トリガによる通知および対処方法の提示(親のSNSへの通知を想定)
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サービス名 |
Chance Time! |
ターゲット |
動画配信者、定点カメラで盛り上がりたい人 |
「みたい」を叶えるポイント |
人や特定物が集まり盛り上がった瞬間を通知し、盛り上がった瞬間を捉えられない機会損失を防ぐ |
技術的特徴 |
・FEK:物体検知アルゴリズム(特定物の個数の検出)
・上記トリガによる通知(ターゲットのSNSへの通知を想定)
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最後に審査委員長の岸、同じく審査委員を務めたヒューマンエクスペリエンスデザインセンター長の平賀明子から総評を頂いた上で、人事部人財採用グループリーダーの築澤孝治より締めの挨拶をいただき、無事閉会となりました。
その後座談会とメンターから同じチームの学生にささやかな贈り物をさせていただき、3日間にわたるハッカソンは幕を閉じました。
おわりに
今回のハッカソンでは、参加頂いた学生さんに少しでもコニカミノルタの事業や技術、仕事の中でアイデアを形にしていくプロセス、そしてリアルな社員の働き方・考え方や拠点の施設・環境に触れて頂くことができたと考えております。
また参加した学生さんの技術力もさることながら、FORXAIの技術に初めて触れてからわずか2日間という短期間でサービス機能を実装できたFEKの実力を再認識できるよい機会だったと感じております。
そして、この記事を読んでくださった皆さまにも、FORXAIの技術やイベントの面白さの一端が伝われば幸いです。
(連続でイベント報告が続いたので、次回はまた違った記事が掲載されることを期待して…)
最後までご覧頂きありがとうございました!!
コニカミノルタは画像IoTプラットフォームFORXAIを通じて、お客様やパートナー様との共創を加速させ、技術・ソリューションの提供により人間社会の進化に貢献してまいります。
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